まつやま書房TOPページ自費出版TOP3.本のマメ知識・2.本の各部名称

3.2


並製本
本文で使用している紙よりも厚い紙を表紙として、針金や接着剤で中身を綴じる方法。
表紙と中身のサイズが同じ大きさに仕上げます。雑誌の種類によって、表紙と中身の紙を同じものにすることもあります。
新書や文庫本、雑誌などに多く使用され、持ち運びに便利な反面、傷みやすい性質とも言えます。

上製本
表紙をボール紙に貼り、糸かがりや接着剤で中身を綴じる高級製本方法。
表紙部分を中身よりも3mmほど大きく(チリ)仕上げ、必ず見返しをつけるようにします。表紙と背の間にも溝をつけ、見開きやすくしています。
上製本は高級的な仕上がりのため、費用が並製本より少し割高になってしまいますが、硬質な表紙があるため丈夫で長持ちな書籍となります。



天(あたま)

本の上部です。
本の見映えを良くするために金箔を塗ることもあり、これを「天金」と言います。



文字通り本の背中です。背骨とも言えるかもしれません。
ここに書籍名、著者名をいれるのが一般的です。
上製本では丸みを帯びた丸背、角張った角背があります。

小口(こぐち)

背の反対側です。
広義的な意味では天と地も含めることもあります。

地(罫下・けした)

天の反対側です。天(あたま)と合わせて天地です。


ノド
本の綴じ目に沿った部分で、見開いた時の中央部分です。(「紙面の各部分」の図の状態)
製本時の綴じ方によっては見にくい箇所となります。

見返し
表紙と中身をつなぐ役目を持った紙です。
ここに図版を印刷することもできます。

そで

表紙を包むためのジャケットの折り返し部分です。
この部分に著者プロフィールなどを載せたりします。



主に販促手段として表紙・カバーに巻く紙です。
カバーが表紙の顔なら、帯は書籍の化粧と言えるものです。
推薦文やあらすじ、または紹介文などを多少凝ったデザインでいれたりします。
最近では少し大きめの帯を巻いたり、カバー表紙絵と同じデザインで文字を入れてあったりと少し変化に富んだものが増えてきました。
別名腰巻き。



背と表紙が接合するすき間に入れる溝。
表紙を開きやすくするために設けられたもので、上製本の場合にのみ設けられます。

スピン(しおり)

布製のしおりです。背の部分に糊付けされて本の中に織り込まれています。


かど

文字通り表紙のかどです。
上製本の場合は格段と傷みやすいため、革張りという加工をしたりします。
トビラ(扉)

書籍の中身の最初のページです。
書籍名、著者名をここにもいれる場合が多いです。表紙、カバー表紙の模倣的デザインにする場合もあります。
本文との区別のために少し厚めの紙を使うこともあります。

カバー

書籍の表紙を包む紙です。
本来はジャケットと言う名が正式のようです。
見映えと表紙の内容保護を目的としていて、本の中身(文章の内容)の次に重要なもので、書籍の顔と言えます。
色褪せ防止などのためにPP加工で仕上げる場合もあります。

チリ

表紙中、中身部分よりも大きい箇所です。3mmの幅を標準としています。
表紙と中身が同じ大きさの並製本にはありません。
何故チリと呼ばれるのか、勉強不足のためよくわかりません。知っておられる方はこちらまでメールして下さい。


版面(はんづら)

印刷される文字、画像などが入るスペースのことで、全ページのレイアウトの基準となります。
ノンブルや柱は含めません。

ノンブル

ページ番号のことです。
ノンブルとはフランス語で、日本語で番号、英語でnumberの意味です。

写真・図版・イラスト

説明の補足や紙面のデザインを際だたせるために使用します。
本文に対して、写真・図版の方をメインのように見せるかなども検討できます。

キャプション

写真・図版の補足説明のことです。
補足が主目的ですので簡易的にして、本格的な説明は本文などでおこないます。



書籍名や章題名、節の見出しなどを記すものです。
主に各ページの版面の外に配置され、なるべく読んでいて煩わしくないようにデザインします。

段間

本文を二段組み以上にしたときにできる段と段の間。そのときの文字の大きさで二文字分ほどの間隔を以上空けることが見やすい段間となります。

見出し

文章の記事のはじめに置かれ、その記事の内容を一目で分かりやすく記した標題です。新聞記事の見出しと同義的。
区切り方によって、大見出し、中見出し、小見出しがあり、本文と区別を付けるために文字の大きさを変えたりします。

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